筋肉や筋膜へアプローチするASTRを紹介

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ASTRを紹介

先日スタッフにリリースをかけながらストレッチをしたりストレッチをしながらリリースをかけるテクニックを再確認していました。

その中で、手軽に軟部組織からくる症状を軽減するASTRというテクニックがありますので紹介していきますね。

私も臨床でも多用していて、筋肉や筋膜にASTRをかけると、
比較的即効性があり、患者さんも実感できます。
是非、柔道整復師の先生方、この記事を読み整骨院の臨床に活かして下さいね。

ASTRとは

ActiveSoftTissue Releaseの略です。
特定の軟部組織を局所的に圧迫伸長を加えて固定しつつ、隣接した関節の運動(自動、他動、自動介助)を行うことでより効果的なストレッチを施す手技療法の1つ とされています。
行う部位によっては痛みを伴うこともあります(^^;
トリガーポイント・圧痛・硬結・癒着
など軟部組織の状態と症状に照らし合わせ問題が生じている思われる部位にASTRを施すのが基本です。

筋膜リリースとASTRの違い

①筋膜リリース
筋組織に直接アプローチし、徐々に力を加え動きは伴わず比較的ゆっくりと時間をかけながら組織をリリースしていくもので静的な技法です。
②ASTR
伸長すべき組織に直接コンタクトして伸長を行い、そして関節運動を利用し組織をリリースする動的な技法です

ASTRの特長

①シンプルですぐに利用できます。

筋肉の走行や作用など一般的な解剖学的知識があり筋肉を触診し確認することが出来ればすぐにできます。
イメージは押しながら伸ばすという感じです。

②即効性があり、効果が分かりやすいです。

ストレッチ時に自動他動運動を行うので比較的短時間で組織のストレッチが可能です。
ASTR後は組織の伸長や自覚症状の改善の程度を確認できます。

③狙いを定めてストレッチ出来ます。

指先の大きさで局所的な力を加えることができるので筋肉の瘢痕組織やトリガーポイントを狙い、小さく範囲を絞って治療効果を出すことが出来ます。

④ROM制限が強くても行えます

ROM制限が強いケースではストレッチで組織の伸長が可能となるよりも前の時点で痛みが出てストレッチができない事があります。
しかしASTRでは初めに目標とする組織の緩みのポジションをとり動かせる範囲で治療します。
普通に動かすよりも圧迫しながら動かすのでより焦点をしぼったストレッチが可能です。
また、リリースをかけることによって可動域が増加し、ストレッチをしやすくなることが多いです。

⑤力を抜けない人でも柔軟性を出しやすい

力が入りやすい人に他動的にストレッチをかけると拮抗してしまい、かえって柔軟性を低下させてしまう事があります。
しかしリリースにより狙った組織を徒手により、動かすのでしっかりと柔軟性を出せます。

⑥、通常のストレッチよりも適応範囲が広く、部位や症状の幅が広いです。

強い痛みで動かせなくても、リリースの配分を増やしたり、リリースにより炎症部位の動きを少なくしたりと調整することにより動かさないといけない通常のストレッチよりも色んな症状へ
適応します。また指や手掌等を使い、狙う部位やポイントを絞りやすく幅広い部位に適応出来ます。(急性症状の強いものは禁忌です)

デメリット

①痛みをともなう
②ポイントだけのアプローチでは効果が短い

禁忌と適応

禁忌

・外傷、疾病を問わず急性期である状態。
・皮膚の炎症、感染症、悪性新生物が疑われるもの。
・皮膚や軟部組織の脆弱性が疑われるもの。
・糖尿病、クッシング、ステロイドホルモンを使用している人。

 適応

急性期を過ぎ慢性期に移行し始めたもの。
局所の強い炎症がなくなり組織内に短縮、微小な瘢痕、癒着やトリガーポイントを形成したもの。

ASTR一般的なやり方

①プレポジション
対象となる筋肉の起始、停止を近づけて弛緩させた状態をつくります。
②フックポジション
制限のある組織に押圧を加え、長軸方向にリリースをかけ軟部組織に伸ばして軽く伸長した状態にします。
③ストレッチポジション
関節運動によって筋を起始から停止を遠ざけストレッチをかけます。
ストレッチとフックからのリリースを伴わせる事でより皮膚・筋肉や、結合組織・筋膜などを伸長させます。
注意点
①フックをかけるときには母指、指示、中指、肘などの部位を使用します。
②制限のある部位に、まず4〜5回のASTRを行います。
③良い反応が得られなければ、やや遠位・近位にASTRを行ってみて反応を再評価してみます。
④複数の組織にトリガーポイントがある場合は比較的大きい筋肉や表層の組織から治療してみます。
⑤発症してから経過が経ったものは比較的強く、短い場合は弱く行います。
⑥ASTRにおける関節運動のスピードは患者がリラックスできればゆっくりでも速くても大丈夫です。
⑦回数は2.3回のこともあれば、10〜20回行う事もあります。
⑧痛みの改善や組織が局所的に弛緩し可動域の拡大が得られれば成功です。

おすすめの本

おわりに

ASTRは柔道整復師の大好きな筋肉の起始、停止や機能を理解していれば
わりと簡単に処方でき、効果も得られます。
患者さんも体感できるので信頼を得やすいです。
興味のある方は本を読んでみてください。
一緒にリリーステクニックや筋膜連結も覚えておくとさらに効果が高まり持続率も上がります。
また、症状のある軟部組織に対して行うのが普通のASTRですが、歪みを矯正したり関節の整復に応用すると整復位を保ちやすくなるのでおすすめです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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