アナトミートレインの『スーパーフィシャルフロントライン』

SFLの連結

SFLの筋膜の連結は以下のようになってます。

短趾伸筋/長趾伸筋/前脛骨筋

大腿四頭筋

腹直筋

胸骨筋/胸骨軟骨筋膜

胸鎖乳突筋

頭皮筋膜

足趾から頭頂まで体前面の浅い部分を包む筋膜の連結です。

引用

SFLの特徴

①足背から頭側面にかけて体の前面を走るライン

②白筋繊維が多い

③機能的に足趾から骨盤まで、骨盤から頭部までの二つに別れる。

④体の前面にある、弱いところを守っている(咽頭、乳房、腹部、鼠蹊部、陰部や腹腔の内臓を保護している)

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足背から頭側面にかけて体前面を走るライン

SFLの走行をみると、足趾から頭部まで体前面のラインをつないでいます。

前面を走行しているため、後面を走るSBL(スーパーフィシャルバックライン)との関係が深くバランスを取り合っています。

ここが重要で、SFLとSBLのバランス関係をA-Pバランスといいます。

筋・筋膜を主動作筋、拮抗筋の関係で考えると、一方が短縮・緊張している時、もう一方は伸長されるという相互作用があります。

これはSFLとSBLにも言えることで前のSFLが短縮・固定してしまい、後のSBLが伸長・固定されてしまっているケースがよく見られます。

猫背の人がそういたったA-P バランスの崩れた状態です。

ですので、SFLにトラブルがあると、想定した際はSBLとのバランスも視野にいれクリニカルリーズニングを組み立てる必要があります。

SFLのトラブルがSBLのトラブルを生み出している可能性も多いに考えられます。。

白筋繊維が多い

白筋繊維が多く、収縮性が高く、素早い筋収縮を発揮するが、持久力が弱いという特性がみられます。

SFLには反射的な機能も備えていて、驚愕反応で素早く収縮をします。。

「負の感情は全て屈曲として現れる」とフェルデンクライスは述べており、うわっ!とびっくりする出来事や大きな音や光にびくっ!とする時に反射でSFLが収縮します。

つまり、早く、強く大きく動く機能と驚愕反応などで反射的に動く機能も持つ特徴があります。

機能的に足趾から骨盤まで、骨盤から頭部までの二つに別れる。

SBLにもありましたが、SFLも直接的な連結でなく、機能的な連結であるということが認められます。

大腿四頭筋から腹直筋へ繋がっていると書きましたが、腸骨を介しての機械的な連結であるということです。

筋肉の図を見てもらえばわかると思いますが、大腿直筋は下前腸骨棘に、腹直筋は恥骨結合に付着しますので直接的に繋がってはいないです。

直立姿勢や仰向けなど、体幹と下肢が真っ直ぐになっている時は、腸骨を介して連動し一緒に機能します。

体幹前屈位や股関節屈曲位など、体幹と下肢が真っ直ぐにない時は、足趾から骨盤、骨盤から頭部というように別れて機能します。

骨盤や股関節の位置によって連動性が変化します。

体の前面にある、弱いところを守っている(咽頭、乳房、腹部、鼠蹊部、陰部や腹腔の内臓を保護している)

人の体の前面には大事な器官が複数あります。

SFLは大切な器官たちを守る重要な役割があるのです。

驚愕反応はこの器官たちを保護するためのものかもしれません。

SFLをリリースするストレッチ

SFLを伸ばす簡単なストレッチを紹介します。

顎を軽く引きながらうつ伏せになり胸の横に手のひらを置きます。

そこから腕を伸ばし下腹部は床につけたまま、腰から胸部を上体起こしのように反らして腹部から胸部前面を伸ばします。足関節も底屈させ下肢前面もつま先方向に伸ばし視線は上方を向き、頸部の前も伸ばします。

その姿勢で10秒ほど保持します。2回繰り返しましょう。

ポイントは、

・腰を反りすぎる痛める可能性もあるので、軽く気持ちのいい程度に(腹部を床につけることを意識)

・肩をすくめないよう軽く脇をしめて肩甲骨を内転させながら行う。

・SFL上に伸びを感じるイメージで10秒程おきましょう。2回続けてやると効果的です。

・行っている際に痛みのある方には指導しないでください。

こんな風にSFLを軽く、気持ち良く伸ばしてみてください。

おすすめの本

最後に

屈曲、伸展など矢状面のトラブルを見る際はSFLも視野にいれてアプローチすることをおすすめします。

SFLとSBLのバランスが崩れている方は非常に多く、ここを整えてあげると動きの制限がとれたり、姿勢が良くなったり呼吸が楽になったりする方がたくさんみられます。

ぜひ試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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