トラフィックライトガイドについて
最近はMDTについての記事を書いているので、ついでに知っておくと良いと思う用語を紹介していきます(^^)
トラフィックライトガイドとは、
分かりやすく言うと今行った手技療法は適切なのかを判断する。という意味です。
筋骨格系における機能障害に対して徒手矯正を処方し負荷をかけるとなにかしら体に変化が起きますよね?
よい反応としては、痛みの軽減や、関節可動域の増大、神経症状の低下など
悪い反応としては疼痛の増大や、関節可動域の減少、神経症状の増加など
簡単に言うと当たり前かもしれないけど、良い反応が出るならば体にとって必要なのでどんどん行ってみよう。
悪い反応ならば体に有害なのでやめておこうっていくガイドラインの事なんです。
ただし、良いのか悪いのかは、必ずしも上記のように単純とは限りません。
例えば治療中に「痛みを感じた場合」でも、実は良い反応に繋がる場合もあったりします。→paradoxofmovementについてはこちら
その辺りの事もしっかり踏まえた上で、今行った徒手矯正の適否を判断し徒手矯正を継続すべきか、辞めるべきか、あるいはハッキリしないので負荷を変えてさらに検証すべきかなどを決定するためのガイドラインとなります。
トラフィックライトガイドの分類
トラフィックライトガイドは青・赤・黄色の三色で分類します。
良い反応か悪い反応を判断するポイントは次の三つです。
①痛みの領域や広がり方 ②痛みの強さ ③可動域の範囲
この3つを比べ、青・赤・黄のどれかに当てはめていきます。
色が示す意味は以下の通り。
青色: 矯正による負荷を加えた結果、痛みの程度が軽減したりCentralizationが起きたり、可動域や活動性の改善が得られる適切な負荷であり、そのまま継続するべきてす。
赤色:矯正による負荷を加えた結果、痛みが増強したり、Peripheralisztionが起きたり、可動域や活動性が悪化する負荷で不適切であることを意味し、その負荷の使用は中断しなければいけません。
黄色:矯正によ負荷を加える前と後とで痛みの程度、神経症状の分布や可動域、活動性も変わらない(一過性に変わったとしても結果は変わらない)負荷であり経過をみるべきです。
継続しても良いですが慎重に行いましょう。
「矯正中のみ疼痛低下」「矯正中のみ疼痛悪化」「矯正中に疼痛変化なし」の場合も、矯正前と比べて矯正後の症状が同じであれば黄色とします。
赤と青は分かりやすいので黄色を細かく判断できるかどうかがネックになってきます。
黄色は、「良いか悪いか、どちらとも言えない」という状況です。
その場合は以下のアクションのいずれかを選択しもう一度検証するか他の徒手矯正を選択します。
①負荷を強める(フォースプログレッション)
②負荷を加える肢位を変更する(フォースオルタナティブ)
③負荷を加える方向を変更する
④エンドレンジまで可動させてみる
これによって、黄色が青か赤に変化しハッキリとする場合があります。
「青・赤・黄色に分けるのがトラフィックライトガイド」と言うだけなら簡単ですが、実際にトラフィックライトガイドを活用する場合は、ハンドリング・知識・クリニカルリーズニング能力が必要となります。
トラフィックライトガイドを活かした指導
患者さんに自主トレーニングを指導する際に、このトラフィックライトガイドを活かしたリスク管理をすると分かりやすくおすすめです。
上記した特徴を伝えた上で「痛み・可動域・痛み分布の変化が青なら継続してほしいのだが、万が一赤になるようであれば、そのトレーニングはやめて下さい」などと指導しておくとリスク管理になります。
他にも生活指導でもトラフィックライトガイドは活用できます。
例えば、家事をしていて赤色反応が起こるものはは実施しない、もしくは赤色とならないための姿勢や工夫を伝えてみると良いと思います。
トラフィックライトガイドの注意点
①徒手矯正を加えている時の反応だけで、判断しません。
解除したときの反応も考慮します。整復中に痛みが消えても離したらすぐ戻るなら青に近い黄色となりますし、整復中に痛みを感じても、離したときに可動域が全快するならば青となります。
②ベースライン(患者の訴えている症状が起こる肢位・動作)以外の肢位や動作で反応の良し悪しだけでは判断しません。
仰向けで整復中に痛みか消えたが座位になると痛みが戻るならば青に近い黄色となりますし、逆もしかりです。
おすすめの本
終わりに
トラフィックライトガイドも頭にいれながらクリニカルリーズニングを組み立て直すとより、治療プランをしっかり組めますので是非頭に入れておいてくださいね(^^)
最後までお読み頂きありがとうございました。