MDT(マッケンジー法)セントラライゼーション・ペリフェラライゼーションについて

MDT(マッケンジー法)の中には知っておくと柔道整復術に役立つ物が多くありますがその中のセントラライゼーション・ペリフェラライゼーションを紹介していきますね!

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セントラライゼーション(Centralization)とは

セントラライゼーションとは『痛みの中央化』のことです。

細かく説明すると、腰痛や腰椎由来の下肢痛、頚部痛や頚椎由来の上肢痛、背部痛や胸椎由来の胸部痛に対し「施術による刺激を加えた結果として、痛みの分布が体幹正中部に向かって収束してくる現象」のことです。

Centralizatonはロビンマッケンジーによって発見され、痛みや障害を改善させるものとされ、この現象が起こる患者は起こらない患者よりも予後が良いとされています。

ペリフェラライゼーション(Peripheralization)とは

ペリフェラライゼーションとは『痛みの抹消化』のことです。

セントラライゼーションと真逆で「施術による刺激を加えた結果、痛みの分布が体幹中央部から末梢に向かって広がる現象」のことをいいます。
症状を悪化させる負荷になるので、それ以上その負荷を加えてはいけません。

痛みの範囲や移動に視点をおく

セントラライゼーションとペリフェラライゼーションは、「痛みの強さ」ではなく「痛み範囲の変化」に視点を置いています。

脊柱疾患の痛みの評価において、痛みの強さだけでなく、痛みの範囲や部位に視点をおくことはとても大切です。

上記したように「セントラライゼーションが起こると予後が良い」とも言われていることから、脊柱原性疼痛に関しては、痛みの程度の変化よりも痛みの範囲や部位の変化の方を重要視し、治療プランを組む必要があります。

セントラライゼーションは痛みも軽減するとは限らない

セントラライゼーションが起こると患部の痛みの強さも低下するとは限らない点は、誤解しやすい部分なので注意してください。

セントラライゼーションが起こった一方で、一時的に患部自体の疼痛は増悪することがあります。最終的には患部の疼痛も改善するのですが。

元々ロビンマッケンジーもセントラライゼーションの概念を発見した時は、腰へのアプローチにより腰痛は悪化したが下肢の神経痛に中央化がおき、そのアプローチを繰り返してみたところ、症状が寛解していった事が始まりでした。

例えばむち打ちで頸椎を痛めた患者さんが上肢に放散痛も生じてたとします。

Aのアプローチで整復したところ頚部の痛みが楽になったが上肢の痛みは変わらなかったとします。

Bのアプローチで整復したところ頚部の痛みは増悪しますが、上肢に起きてた放散痛は中枢部へ移動し末梢の痛みがなくなるとします。

その場合はAを選びがちですがBの整復法がDPと判断しリハビリプランを組んだ方が予後が良いのです。

これは多数の論文も出ていますので、少し怖くも感じますが、頭に入れておいてくださいね!

ローカリゼーション(localization)

セントラライゼーションは脊椎の場合の呼び名ですが四肢関節の場合はローカリゼーションと呼びます。

四肢関節の問題から痛みが末梢へ放散していて、その関節にアプローチを加えた際に症状が関節に対し中央化していく現象を『ローカリゼーション(localization)』といいます。

例えば、肘から前腕にかけて疼痛が出現している場合、脊柱への刺激によって症状が脊柱方向へ中央化されていくのがセントラライゼーション。

肘関節への刺激によって前腕の症状が、肘関節へ中央化されていく事をローカリゼーションといいます。

肘や膝など四肢の関節もトラブルが大きいほど症状が広範囲にわたり、症状が軽いほど問題関節に症状が集中してくる事が多いです。

炎症も強いと範囲は広くとなりますが、その際はローカリゼーションは検知しにくいです。

おわりに

Centralization・Peripheralizationは、評価にも治療にも今後のプランニングにも活用することができます。

色々な評価・治療・予後予測がありますが、ここに書いた情報も指標もぜひ頭に入れて引き出しを増やしてみて下さい(^^)

最後までありがとうございました。

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