アナトミートレインの『ディープバックアームライン』

今回はデープバックアームライン(DBAL)を紹介します。

略すとドラゴンボールを思い出すのは私だけでしょうか笑っ

さてこのラインは名前の通り、腕の後面の深層を走っています。

DBALの連結

菱形筋/肩甲挙筋

棘上筋/棘下筋/小円筋

上腕三頭筋

尺骨骨膜

小指球筋

頚・胸椎から始まり、肩甲帯・上腕の後面を通り、尺側から小指にかけて連結しています。

引用

DBALの特徴

①.3つのローテーターカフが含まれる

②.頸椎・胸椎アライメントの影響を受けやすい。

それでは、一つずつ解説していきます。

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3つのローテーターカフが含まれる

DBALには、ローテーターカフ(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の4つの筋群のうち、棘上筋、棘下筋、小円筋の3つが連結しています。

肩関節のインナーマッスルであり、上腕骨頭の安定に欠かせないローテーターカフが含まれているということは、DBALが肩関節に大きな影響を与える事は一目瞭然です。

ローテーターカフが上腕骨頭の安定にに関与していることは有名なので今は省きます。今回は一歩踏み込んでDBALを考慮したローテータカフへのアプローチです。

DBALがローテーターカフと連結しているということは、DBAL上の他の筋肉からも影響を与えるということです。

例えば、DBALの終着点は小指になりますが、現代ではスマホやパソコンの普及で親指の操作が多いです。
となると、拮抗ラインであるディープフロントアームライン(DFAL)の連結上の母指を頻繁に使用していることになります。
そうすると上肢前面のラインを優先的に使用しているので、反射的にDBALはあまり働かなくなり結果的にローテーターカフは連鎖的にも徐々に弱っていきます。
ローテーターカフが弱化すると、肩関節に対して上腕骨頭の不安定性が生じるので、インピンジメントなどの障害が起きやすいと考えられます。

発想を変換すれば、小指や肘の伸展、上腕の外旋を意識してリハビリを行えば、DBALを通してローテーターカフの活発化が起こり、肩関節の安定性が得られやすくなります。

実際に、小指を使わせる運動、上腕外旋や肘伸展を取り入れたエクササイズ等は私も処方します。

頸椎・胸椎アライメントの影響を受けやすい。

DBALは頸椎や胸椎から始まっているので姿勢アライメントとローテーターカフの関係も深いと思われます。

また、DBALは肩甲挙筋を介して上位頚椎と連結しています。

先ほども述べましたが、現代ではスマホやパソコンの普及でDBALが機能しにくいと話しました。
パソコンに向かってる姿勢では、頭部が前方に転位していて、これが日常的に行われるとなると、頚椎にかかる負担は相当のものです。
さらに、胸椎のkyphosisが増強され、巻き肩の姿勢で長時間いると、よりDBALは伸張固定され機能不全に陥ります。

頚椎・胸椎のアライメントや脊椎のインナーマッスルである多裂筋や頚長筋などもしっかり機能させローテーターカフの本来の能力を引き出してあげましょう。

そして菱形筋群はDBALと、SPL(スパイラルライン)の前鋸筋へと連結するラインに分かれます。
SPLは体を螺旋上に走り、水平面に対しての安定性を担っているので体幹の安定性が得られていることがよりローテーターカフをしっかり機能させるためにはとても大事であるとも言えます。

ローテーターカフを考える際は、指・前腕・肘・頚椎・胸椎・SPLからの影響も、考慮すると良いでしょう。

DBALをリリースするストレッチ

では、DBALをリリースする簡単なストレッチをご紹介します。

①,伸ばしたい腕を前ならえのように突き出し、指はパーに開き手関節を軽くトウ屈させます。

②.小指側から前方に引っ張られているように意識しながら肘を曲げ、親指が反対の肩口に付くようにもっていきます。

③.軽く10秒程度保持したら元に戻し、2回繰り返しましょう。

ポイント

・小指から引っ張られるイメージをもつ
・肘は屈曲位、肩が挙がらないように
・痛みが伴うようでしたら行わないでください。

上記のポイントをふまえて処方してみてください。

おすすめの本

最後に

今回ご紹介したDBALは肩における安定性、脊椎との関係が深いということも大事です。

ストレッチは載せていますが伸ばすだけがアプローチではないと言うことはもうお分かりですよね??

肩関節を治療する時は、ぜひ今回の内容を思い出してみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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