今日は私が初めて、本当の治療に目覚めたきっかけになった治療法であるAKAについて紹介したいと思います。
大分有名になり取り入れている先生も多いかと思います。
整骨院でも活かせる治療法なので是非読んでみてください(^^)
もくじ
AKA博田法
AKAは(Arthrokinematic approach-Hakata method)の略で、関節運動学的アプローチ博田法が和名です。
このメソッドは博田節夫という医師が中心となって作られたものです。
博田医師は約5年アメリカでの医療を経験したり米国フィジカルメディスンアンドリハビリテーションの専門医試験を最高点で合格する経歴もあり、PTの国家試験の問題も作成していた事もあるDrです。
博田先生はFIMM(国際徒手医学会という筋骨格の痛みを徒手的に治療する会)に入っていて、日本では博田先生の他数名が入会しています。ドイツ人は400人くらいらしく、いかにリハビリ関して日本が遅れているかがわかりますね。医療自体は進んでいるのですが。。。ちなみに私はドイツやオランダ、ニュージーランドの手技療法を柔道整復術に活かし、独自の治療法を行っています。
AKAの起源は、理学療法士の宇都宮先生が米国へ出張し、関節モビリゼーションを学び、日本へ情報を持ち帰った事だそうです。
宇都宮先生は、後に関節ファシリテーションSJF(synovial joints facilitation)を立ち上げた人でもあります。
そこから博田先生が米国から持ち帰った関節運動学の技術を足してAKAが完成しました。
AKA博田法を受けられる資格
AKA博田法の会員となり実技講習に参加出来るのはDr・PT・OTだけです。
しかし、私も含めてAKAを治療に取り入れている柔道整復師や整体師をよく見かけます。
私は整形外科で働いていたので講義に出ていた先生とコネがあり直接的に学ばせたことがありますが、博田法を名乗ることはできません。
広義の意味のAKA(関節モビライゼーションやカイロプラクティック)としては名乗れますが博田法は資格による制限があるのです。
直接的に講義に出られないので技術を高めるためには、理論を理解すること、博田法の高い技術を持っている先生が知り合いにいる事でスムーズに勉強出来ると思います。
教本やDVDだけで独学になってしまうと、我流になって治療技術が上がらなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
ただし、私の知り合いには講義に出ていなくても、博田法会員の先生から受けた治療よりも技術が高い先生をたくさん見て来ましたのでやはり、メソッドに捕らわれずに治療出来る応用力とセンス、器用な手先が大切だと思います。
ですから、本当のAKA博田法を名乗ることは基本的には柔道整復師には出来ないのでご注意下さい。しかし博田法を名乗っている整骨院も多く、整形外科医がAKAを認めない理由の一つになっているかも知れません。
AKA-博田法の代表的な治療技術
①関節副運動
②他動構成運動
③抵抗構成運動
関節副運動
AKA博田法の看板的治療テクニックです。
関節の滑り運動や離開等により、関節包内運動異常の正常化、関節包・靭帯の伸長を目的とし、疾患による疼痛、外傷後の痛み、各種疾患からくる痛み、関節拘縮等にアプローチします。
関節機能異常から来る痛みに対してとても、効果のある手技です。
昔、私自身が上司に受けた際にもかなり、痛みが軽減し、効果の高いものだと感じ、当時はひたすらAKAの技術を高める為に勉強したり、博田法を行っている施設へ治療を受けにいったりしていました。
関節包内運動の異常から来る関節可動域制限を改善させたい場合はとてもおすすめです。
他動構成運動技術
関節可動域の維持、神経・筋再教育 、筋・腱の伸長、関節包外靭帯の伸長を目的としたアプローチです。
伸長をするかしないかで効果が変わります。
凹凸の法則に基づきながら関節包外の軟部組織を伸張させると関節可動域制限が改善します。
抵抗構成運動技術
構成運動再教育、神経・筋再教育、筋力増強、筋力テスト、を目的としたアプローチです。
術者は凹凸の法則と逆方向に抵抗を加え運動させます。
AKA博田法の特徴
①関節機能異常から痛みが来ていると考え関節包内運動異常からの痛みに対してアプローチしていく。
②疼痛には関節副運動テクニックを使用していく。
③関節は動きを出した方がいいと考えアライメントは中間位に保つ。
④痛みは仙腸関節を中心に体幹の関節機能異常を第一に考える。四肢に痛みがあっても仙腸関節を治療する。
逆に言うと筋肉や筋膜からの影響や関節の弛みから来る不安定性や体幹以外の関節からくる痛みに対しては弱いと言うのが私の印象です。
またSIJは癒合して存在してない人も結構いるそうです。
副運動をしていても全然動きを感じない方もいます。
ただ周りの筋膜が動くのもあり、それでも効果を出せることも多々ありますので否定もしませんが。
SJFもこういった部分を補填する技術を編み出しています。
しかしAKA博田法の考えから来る痛みもとても多く、大きな引き出しになると思うので皆さんも治療に取り入れてみてはいかがでしょうか?
おすすめの本
おわりに
私が柔道整復術に取り入れてよく施術に活かすテクニックは、やはり副運動です。弛みがあるものに抵抗構成運動を応用し関節を整復することも多いです。
リラクゼーションではなく関節矯正による本当の治療を行うために、とても役に立つメソッドです。
初めてAKAを知ったときは、それはもう衝撃的でした。
ただどの技術にも「この手技が最高の治療法」と思い込んでしまう治療家が多い気がします。
私としては、1つの治療法の熱狂的信者になってしまい視野を狭くするのではなく、広い視野で様々な手技を学んでいければと思います。
今の私にとってAKAは引き出しの1つではありますが、メインで行う治療法ではなくなっています。
手技の世界は広いので色んな事を勉強していける柔軟性が大事ですね(^^)
ただし、、それは各治療理論を広く浅くだけ知るのではなく、それぞれの手技を一定レベルまで使いこなせるようになり、他の治療と絡め、オーダーメイドに処方できるようになることが大切だと思っています。
皆さんも是非これからの勉強に活かしてみて下さいね。
最後までありがとうございました。