最近はインナーマッスルが大切と良く聞くようになってきましたね。
インナーマッスルを働かせるためには横隔膜がしっかり働いてる必要があります。
痛みは発生しにくい場所ですがアプローチには大切である横隔膜に視点を当てて記事を書いていきますね!
もくじ
横隔膜の解剖学
起始:胸骨部 剣状突起
肋骨部 第7〜12肋骨・肋軟骨の内面
腰椎部 L1〜3または4にわたる内側脚および前縦靭帯
停止:腱中心
胸骨・肋骨・腰椎と全周にわたりドーム状の筋肉です。
吸気時に収縮して真ん中の腱中心を引っ張り、下制します。
強く収縮すると、横隔膜の下部に位置する肝臓や胃を押し下げます。反作用で起始である下部肋骨が持ち上がり横径が増大します。
横隔膜は安静時では1.5cm、最大吸気位では10cm下制します。
なので横隔膜が下がるためには内臓の柔軟性や横隔膜と下方で連結している大腰筋、腰方形筋の筋力・柔らかさも大切です。
ちなみに焼き肉ではハラミの部位です笑っ 良く動く筋肉なので柔らかい赤み肉になります!
私も好きな部位です(^^)v
横隔膜の機能
1、吸気
2、腹圧を高める
3、腰椎の安定
4、胸腹部のポンプ機能
5、自律神経の安定化
吸気
これは国家資格を持った柔整師ならばみなさん知っていますよね?
横隔膜が収縮し下がると胸腔が陰圧になり肺が膨らみ息を吸います。弛緩すると上昇して呼気に切り替わります。
腹圧を高める
腹横筋・骨盤底筋群・多裂筋・腸腰筋はインナーユニットとして連動して働きお腹をキューっと締め腹圧を高める作用があります。
これにより排尿や排便が可能になっています。
腰椎の安定
横隔膜や上記したインナーユニットを働かせると、腹圧が高まり腰椎が安定します。
少し難しいですが腹式呼吸で息を吸い、腹横筋でお腹を締めます。そして骨盤底筋でお尻を締め多裂筋と腸腰筋で骨盤と腰椎を起こします。
これらを同時に動かすためには横隔膜の動きが大切なのです。
胸腹部のポンプ機能
横隔膜が上下して内臓やリンパ等へのマッサージ作用や胸・腹圧が上下することで血流も促進され心臓を始め全身の流れが良くなります。
横隔膜の働きを強くすることで内蔵も元気にできるので、柔整師が外傷以外にも役に立てる為に是非頭にいれておきましょう!(横隔膜のトレーニングに対して保険を請求してはいけませんよ!自費でやるか腰部捻挫後のリハビリに一緒に混ぜる等で横隔膜にもアプローチしましょう!)
自律神経の安定化
上記したように内臓の血流を良くする事と、横隔膜には自律神経が、多く分布しているため、横隔膜がしっかり働くと副交感神経が優位になると言われています。
横隔膜のリリース
剣状突起の下方や第7〜12肋骨の下面に指を入れ上方に向け押し込みます。
この時に指先が立って痛みを感じたり内蔵を強く押さないように注意してください。
触っているという実感は得られにくいですが、吸気の際に動きを感じられるのでそこで左右に動かしてリリースをかけます。
横隔膜の出力を上げるために
横隔膜がしっかり働けるようになるには連動する部位をスムーズに動くようにすること、拮抗する部位を緩める事です。
①骨盤底筋の出力を上げる
横隔膜はインナーユニットとして連動する部位があると上記しましたが、その中でも骨盤底筋と横隔膜は他のインナーマッスルが働きやすくなるための準備をしてくれる筋肉です。
骨盤底筋は横隔膜が、横隔膜は骨盤底筋が同時に収縮すると収縮力が上がるという実験結果も出ています。
お尻の穴を締めるように骨盤底筋を収縮させながら腹横筋を収縮させましょう。
②下位肋骨の可動性
吸気の際、横隔膜は下り、下部肋骨は持ち上がり横径が広がります。
なので肋骨の可動性に制限があると横隔膜は出力が下がります。
胸肋関節や肋椎関節の可動域をあげ、腹直筋、広背筋、腹斜筋、大腰筋、腰方形筋、肋間筋などにもリリースをかけ可動域をつけましょう。
③下位胸椎のアライメント
下位胸椎のアライメント不良が起こると胸肋関節、肋横突関節のアライメントにも転位が起きます。
胸椎の回旋と同じ方向に肋骨も回旋する場合と逆に回旋する場合とがあるので注意してください。
多裂筋と腸腰筋や広背筋は胸椎に付着してるので必要に応じリリースしましょう。
横隔膜のトレーニング
所謂腹式呼吸です。
仰向けに寝て、膝を立てます。
息を鼻からゆっくり吸い、
お腹の下部まで空気が入るようにイメージし腹部が膨らむように意識します。
口からゆっくり息を吐き、お腹の下部から空気が出ていくようにイメージし腹部がへこむようにします。
過度に腹部をへこませず、リラックスし行います。
筋力をあげたいときは腹部に重みをかけ、それを持ち上げるように行いましょう。肺活量が上がります。
不眠や自律神経失調症に対してはゆっくり息を吸い苦しくない程度に呼吸を止めゆっくり吐くことを繰り返しましょう。
眠れないときにはスゥーっと眠りにつけるので、患者さんに指導してみてくださいね(^^)
最後に
横隔膜の直接的な出力、間接的に制限してしまう部位のアライメントや柔軟性を評価しアプローチし腹圧や自律神経の安定化から体調を整える事が必要な患者さんも少なくありません。
高齢者は呼吸が浅くなってしまっている方も多いです。
逆に内蔵下垂や筋力低下により胸式呼吸が出来てない人には腹式呼吸が逆効果の場合もあります。
やはりなぜその人にとって必要なのか、なぜ制限が起きてるのかを考えながら処方内容を選択することが一番大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。