肘内障の整復

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肘内障の整復

手を引っ張るなどして発生する肘内障。小学校に上がる前の4~5歳の小児に好発すると言われていますが9歳の肘内障を診たこともあります。

手を引っ張られて発症することからpulled elbowとも呼ばれます。

普通の脱臼は関節頭が関節窩からはずれてしまうことを指しますが、肘内障では輪状靭帯が橈骨頭から偏位し亜脱臼状態になるという特殊な状態です。

患者さんは一般的に肘を屈曲位で前腕は回内位となり、回外制限があります。

肘内障の整復について多くの文献では、回外整復法が多く「肘関節を屈曲位にして回外位とする。その際、術者の母指を患肢の橈骨頭に当てておくと嵌入していた輪状靭帯が外に押し出されるクリックを触れることができる」と記載されていますが、私が推奨する整復法は、回内整復法です。
回内整復法は、患者さんの疼痛回避姿勢のまま整復するので恐怖感や疼痛が少なく整復できるように思います。

整復時には橈骨頭のやや近位側に母指を当てておき、整復時に軽く母指で橈骨頭を押し込みながら遠位方向へ半円をなぞるように靭帯を引き下げると疼痛を伴いません。母指で整復音も触知しておきます。

この時に強く押さえてしまうと橈骨頭や輪状靭帯の動きを阻害してしまうので注意してください。

整復音が感じられなかったらその回内位のまま肘関節方向に橈骨に軸圧をかけながら肘を屈曲していきます。

輪状靭帯へ橈骨をはめるようなイメージでしょうか。

ここで殆どは整復できますがダメな場合は伸展位に戻し回外整復法へ移行します。

整復が完了したら、泣き止んだ段階でお菓子やおもちゃを患側上肢を使わせるように持たせて動かせるかを確認したら終了です。

肘内障の保険請求についてもこちらに書いておりますのでお読みください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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