四肢の関節可動域運動のポイント

四肢の関節可動域運動のポイント

四肢のROM-exを行っていく際のポイントは以下の3つに集約されます。

☑ 対象者への触れ方

☑ 運動のイメージ

☑運動の方向性

この3つさえおさえて ROMを行っていけば、患者さん・利用者さんのニーズを無視したROMにはなりません。

1つずつ詳しく解説していきます。

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対象者への触れ方

触れ方1つで可動域なんて変わらないでだろ?と思うかもしれませんが、実はこの私たち柔整師の触れ方によって可動域が変化します。なぜかというと触れ方が筋の緊張具合や関節の支持性に差を生むからです。 実際にイメージしてみてください。あなたが患者さんだとして、セラピストに触診されるとき、指の先で触れられるのと、指の腹で触れられるのは、どちらが緊張しないでしょうか。恐らく、指の腹で触れたときのほうが緊張しないと思います。 触られることで変に緊張が入ってしまうと、正しい運動パターンに誘導できなかったり、本来の可動域よりさらに制限がかかってしまう可能性があります。 患者さんに触れるときは、指の腹で触れるようにし、いきなり強く触れることのないようにしましょう。患者さんにも強さを確認しながら行うことで、患者さん自身も安心することができ、より効果が高まるのではないでしょうか。 また、四肢を把持する際などは手掌面で触れるようにし、強く握らないように注意しましょう。強く握るように把持すると緊張を促してしまう可能性があります。前腕部に乗せたりして、支持面を増やすことで安定性が増し、患者さんもリラックスすることができます。

運動のイメージ

前述したように、ただ動かしたりしていても運動の効果は十分には得られません。確かに動かしさえすれば筋にストレッチが加わり、多少の可動域改善が見込めることはあるでしょう。

しかし、角度が改善するだけであり、それが正しい運動によって動いているとは限りません。 膝関節を例に挙げてみます。膝関節の特徴的な動きとしてわずかですが内外旋が本来は起こっているのです。この動きが非常に重要になるわけですが、ROMを行うときに意識してしっかり動かしている人は少ないのではないでしょうか? また、膝関節の構造から考えると、大腿骨の外側顆よりも内側顆の方が面積が広いため、大腿脛骨関節の運動方向は、真っ直ぐではなく斜めにずれていきます。そのため、関節面を適合させるために下腿の内・外転の調整をしながら屈伸させることが重要となるのです。 このように、各関節において動きは異なり、それによって私たちの動かし方も変化してきます。しっかりと目的の関節の動きをイメージしましょう。それが関節の矯正となり整復となります。柔整師の本領を発揮する始めの一歩となります。

運動の方向性

ROMを行う際、運動軸を意識して行うことも重要なポイントになります。

本来の運動軸上に沿って動きを再学習させないと、間違った動きで認識してしまい、予後に大きな差が生まれてしまいます。 よく見かけるものとして、代償動作によって運動軸がズレてしまっているにもかかわらず、そのまま修正せずに ROM を続けている場面です。これでは、せっかく行っていても意味がありません。 運動のイメージと重なる部分はありますが、しっかりと自分が動かしたい方向と運動軸を意識することが重要であり、その運動軸に誘導しやすい環境を作っていくことも大きなポイントになります。

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