可動域制限を改善しADLに直結させる

私たちは生活をしていく中で、多種多様な動作を行います。

起き上がりや立ち上がり、歩行、階段昇降、排泄、家事動作などヒトの生活様式や環境によって様々です。 その中で、可動域制限が発生すると生活に様々な影響を及ぼします。

1 つの可動域制限が及ぼす影響

例えばよくあるのが、膝関節伸展制限が与える動作への影響です。膝関節伸展制限があることによって、まず脚長差が発生します。

それによって立位姿勢が崩れ、全身の筋バランスが崩れます。 また、歩行においても膝関節の支持性が低下しているため、立脚中期における膝折れのリスクが高まります。

さらに、足関節背屈、股関節屈曲、骨盤前傾位になりやすいため、腰椎の前弯増大、後方重心傾向となり転倒のリスクも高まるのです。 たった1つの関節可動域制限で、ここまで動きに影響を及ぼしてしまいます。

動作に必要な可動域

私たちセラピストは、様々な生活動作に必要な可動域制限を知っておく必要があります。いくつかご紹介しますが、これは文献によって異なるため、参考程度にしてください。

椅子への立ち座り:股関節屈曲112度・外転20度・外旋14度、膝関節屈曲93度

階段昇降(昇り):股関節屈曲120度・外転20度・外旋20度、膝関節屈曲83度

(降り):股関節屈曲30〜50度、膝関節屈曲90〜100度 手関節背屈45度

丸首シャツの着脱:肩関節屈曲70度・外転0〜45度・内外旋45度、肘屈曲120度、

顔を拭く:肩関節外転0〜45度・内外旋45度、肘屈曲45〜135度、手関節背屈40度、 前腕回外70度

数字を見てもらえばわかるように、いわゆる参考可動域まではほとんどが達していないです。実用的な可動域と正常とされる参考可動域には差があるのです。

患者さんのほとんどは、曲がるようになりたいと思ってリハビリしているのではありません。通院後の生活を見据えて、それが問題なくできるようにリハビリを行っています。そこを柔整師が理解しているかどうかが重要なのです。

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