間違いだらけの可動域訓練

普段の臨床の中で、セラピストであれば必ずおこなったことがある、四肢や体幹・胸郭などの関節可動域エクササイズ(以下、ROM)。
当たり前のようにやってきているとは思います。
そんな ROM ですが、患者さんの可動域拡大を目的に行っているのに逆に、痛みをつくってしまった
そんな経験1度はあるのではないでしょうか?
では、間違ったROMとはどういったものなのか
以下の項目に1つでも当てはまればあなたは間違った ROM-ex を行っている可能性があります。
☑ 身体の構造をイメージせず、何気なく動かしている
☑ ただ単に、可動域の拡大だけを目的におこなっている
☑ 他動的に無理やりおこなって、患者の訴えを聞かない

こういった上記の間違った ROMになぜなってしまうのか、そこから抜け出し正しいROMの方法を惜しみなくお伝えします。
そもそも、全身の関節というのは、部位によって構造が異なります。
そのため、ROMの方法も関節の特徴に合った様々な方法があります。 それなのに、どの関節においても同じやり方をしている人が多く見られます。
ROMの目的は、拘縮予防や可動域の改善が主になります。 しかし、多くのセラピストは可動域の改善を考えすぎるばかり、患者様のことを考えていないのではないかと思うような運動の仕方をしています。
実際にあった事例をご紹介します。 肩関節周囲炎で来院をした46歳の会社員男性。担当は経験年数20年近くのベテランセラピスト(以下Aさん)。は肩の屈曲110度程度しかできず、Aさんは肩の可動域改善を最優先とし、リハビリをおこなってきた。
ある日、Aさんの手が空かず、私に担当が回ってきた。 Aさん「160度までできている。割と曲がるようになった。」 私「(曲がるようになったんだな )」
と思い安心していたが、実際にリハビリを開始し、自動で肩の屈曲をしてもらうと、130度までしか曲がらず。 私「普段は160度までできてるんだよね?」 患者さん「いつもやってるけど、腕がちぎれそうなくらい痛かった。我慢していた。」
いかがでしょうか。
この事例では、可動域の改善を考えすぎるあまり、患者さんの訴えを完全に無視していました。 人は痛みに対して防御収縮というものが働きます。 これが出ていては、ROMをしている意味がないのです。
むしろ関節を破壊しているようなものです。 可動域の数値による量的変化というのは、セラピスト側の自己満足でしかありません。
あなたは、患者様の関節を破壊してでも可動域を得たいですか? 数値の為なら患者さんに無駄な痛みを我慢してもらいますか?
あなたがおこなっている ROM は、治療ではなく、ただの拷問と変わらないかもしれません。
そんなことをしていては、治りも遅くなってしまいます。 これから書くブログを読んで正しい ROMを学んでいただき、明日からの臨床で役立ててほしい。
そんな思いから本書は作成されました。 あなたが担当している患者さんの為にも…。

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