徒手検査による症状悪化
正しい施術を行うためには治療技術も大事ですがその前の診断・治療戦略がとても大切です。
よく診察8割治療2割なんていう風にも言われたりしますね。
クリニカルリーズニングを立てるためにも姿勢分析・可動域検査・リスティング(骨、関節のずれ)・モーションパルペーション(動きの中の骨、関節のずれ)・動作分析そして患部へのスペシャルテストを行いますね。
その徒手におけるスペシャルテストの多くは患部へ、メカニカルストレスを加えて疼痛や神経の反応を診ます。
このストレスをかける際に負荷が強すぎたり回数が多いと患部は悪化し外傷は治癒が長引いたり、酷いと後遺症を残す原因になります。
治療家の超初期はテストを知らなかったり行わない先生も多いですが少し検査を習ったばかりの初期になると検査をしたがり負荷をかけすぎる先生をよく見かけます。
例えば頚椎症の患者さんにジャクソンテストを強く行ったり足関節捻挫の患者さんにADT(前方引き出し)を強く行っていませんか?
ADTを行うのは言わば、ATFの断裂を助長させるようなもの。
ですから、ADT損傷が疑われる患者さんにはDe(圧痛)や内返痛で絞れたら行わない、もしくはソフトに行い疼痛や緩みを確認したらそこですぐに止めてください。
患者さんの未来のためにも恐る恐るゆっくり行い反応が出たらすぐに止める事を意識しましょう。
あとは感覚を研ぎ澄ましエンドフィールを感じられるようになりましょう。
その他の教科書をはじめ徒手検査法を紹介する書籍にあるようなテスト法も、少しだけ行うのにとどめることです。
ついつい、どの辺りまでいけるか?と思って力を入れ過ぎて見てしまいます。
そんなことをした患者さんに限って経過は非常に悪く、治癒するまでに長期を要します。
徒手検査は、病変の確定こそはできても施術(治療)には効果をもたらしません。
あとSIJ(仙腸関節)のテストや股関節のテスト時に膝に回旋の負荷をかけてしまう先生も多数見てきました。
骨の位置関係を頭に浮かべながら動かすのがポイントです。
本当の治療は細かい気付きのなかにあるのです。
本日も最期までお読み頂きありがとうございました。