亜急性の概念
どーも、KZです。
これから柔整師の保険はますます厳しくなると思います。
2018年6月には療養費の「施術に係る留意事項」の改訂により亜急性という文言が削除されました。
これにより外傷原因が明らかな物という風に変更になりましたが、ここで大切なのは療養費の支給対象の範囲の変更はないと通知されています。
文章としては整理されたが亜急性外力によるものが整骨院での保険対象外になったわけでは無いということです。
整骨院には亜急性による負傷をした患者さんが多いと思うので亜急性という概念を再確認してみましょう。
組織の損傷時に加わる力は「急性」と「亜急性」のものに分類できます。
1) 急性外力
原因と結果の間にはっきりとした直接的関係が存在するもの。
2) 亜急性外力
「蓄積性の力」または「反復性の力」という意味。
反復あるいは持続される力によって、はっきりとした原因が自覚できないにもかかわらず損傷が発生するもの。
例えば1)急性の力は「走っている時に足を踏み外して捻った」というものです。
この場合では、受傷した瞬間が「平成○年○月○日○時○分」というふうにはっきりとしています。
2)亜急性の力は「走っているうちに中足骨の疲労骨折を受傷した」というもので、1)急性の力のように受傷した日時は分かるようで分かりません。
受傷した日時は、発症した(痛みが出た瞬間)日時と言い換えることもできます。
前述した「走っている時」というパターンは原因は明らかで、「2)亜急性の力」の中でも「反復性」または「蓄積性」とも言えるでしょう。
2)亜急性の力の中でも、はっきりとした原因が自覚できないパターンでは「買い物にでる前は何ともなかったが、買い物から帰ってきたら足首に痛みを感じ、痛いところを見たら腫れていた」というものもあるでしょう。
買い物途中に歩行パターンが乱れたりアーチの異常などにより足関節に小さな捻転の負荷が繰り返され損傷がおき負傷し、単に歩き疲れて足首が痛いというわけではありません、腫脹もATFに圧痛も出ています。
でも、患者さんは大きく足首を捻ったという自覚はありません。
こういった、原因を自覚できていない亜急性(蓄積性・反復性)の損傷も柔道整復師の業務に含まれています。
しかし、健康保険施術を行う上で明確な原因がないものは認められません。
なのでこのような原因が不明瞭な外傷の場合は、患者さんにいつ、何をした時に痛みが発生したか?を思い出してもらうようにしてインフォームドコンセントしましょう。私の場合は問診票に直筆で書いてもらいます。
痛みを出すきっかけが思い出せない物と、疲れや筋肉疲労やコリだけのものは健康保険施術の適用にはなりません。その場合は実費治療となります。
ここで私が話しておきたい大事なポイントは自費になるものはしっかり自費にする事!何でも保険にしてはいけません。
そしてその状況に対応できる環境を作っておきましょう!
「それだと自費になってしまう」なんて患者さんに説明してはいけませんよ?
それに応じた治療プランとメニューを用意しておけば保険が効かないから通院しない、なんてことにはなりません。
そうしておけば自費も怖くないし何でも保険にする必要は無いのです。
柔整師の保険を使える部分は確り残しつつ今のこの厳しい時代を乗り越えるため、柔整師の立場を守るために自費対応は必ず必要です。
何も完全自費治療院を作る必要はありませんが対応出来ることが大切です。
さて、教科書では「亜急性損傷」を次の3つに分類しています。
1)使いすぎ(over use)
2)使い方の間違い(misuse)
3)不使用後の急な負荷(disuse)
単なる使いすぎによる筋肉疲労は保険適用にはなりませんが例えば「野球で投球を続けていて投げた時に肘に痛みが走った」ならば外傷として健康保険の適用となります。
「どの瞬間に受傷したか?」を確定するのが難しい場合もありますが、現行の健康保険制度では「受傷した瞬間」を確りと確認しないといけません。
施術録には「受傷した動作」を書いておく必要があります。
単に、「重いかばんを提げて歩いているうち(時)に受傷した」だけではダメなので気を付けてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。